上級テクニック
上級問題で時折必要なテクニックです。最上列と最下列の組み合わせで使われているケースではX-wingを知らなくても無意識に適用できることがありますが、盤面の中に埋め込まれている場合はかなりてこずります。
四角の対角線理論/X-wingとは
ある2つの横列に数字Xが入る可能性のあるマスがそれぞれ2箇所ずつしかない場合で、その2箇所のマスがともに同じ縦列に位置しているとき、その縦列の他のマスにはXははいらない (縦列と横列が逆のケースももちろん可)
というテクニックです。
ある盤面で7が入る可能性があるマスを調べたところ右の様な結果が得られたとします。(適当に作ったので、おかしいところがあるかもしれません。というかおかしかった) ここでr5列とr8列に注目します。この2列には7を入れることができるマスが2つずつしかなく、そのマスはともに列c3と列c6にあります。
この場合、ピンクの縦列c3、c6に存在する7の可能性を消去することができます。 理由ですが、赤字のマスのどれか一つが7になった場合、r5かr8どちらかの列で7を入れる場所が無くなってしまうからです。
4つの7で書かれた四角のうちどちらかの対角線ペアが正解なはずですが、どちらを選んでもピンクの列の7は黄色の列のものが選ばれると考えてもよいと思います。
X-wingはさらに上級のSword-fishやX-Cycleといったテクニックで拡張されます。
XY-wingは理屈や構成は単純なのですが、見つけるのが大変です。X-wingと似たような名前がついていますが、系統は異なります。
XY-wingとは
xyを候補とするマスA, xzを候補とするマスB, yzを候補とするマスCがあり、AとBおよびAとCが同じユニット内(列、ボックス)に位置している場合、BC共通のピアに存在するマスにはzを入れることができない。
というものです、 文章だとややこしいですが実例を見れば一発です。
一番単純なケースです。この様な配置になっている時、r5c5にzを入れることはできません。 理由: zを入れてみるとわかりますが、r2c2に入る数字が無くなってしまいます。
XY-wingを構成するマスが近接している場合はたくさんのマスからzの可能性を排除することができます。左図では、黄色のマス全てにzを入れることができません。 XY-wingの様にある二つ(もしくは3つ以上)のマスBCに共通するピアを使用するテクニックはこの後もいくつか登場します。この条件を、BとC両方を見ることができるマスと表現することもあります。
ある一つの数字に注目した時、その数字が入る可能性があるマスは単独ではなく、そのマスのピアにある別の箇所のマスに影響を与えます。二つのマスは候補数字によりつながっているといってもよいと思います。Simple Chainは数字Xがはいるのはこの列ならこことここといった二択形式のつながりを効果的に利用したテクニックです。Simple Coloringとも呼ばれています。 背理法と似たようなテクニックじゃないの?と思われるかもしれませんが、ミシチャンは次の点で異なると思っています。
- 戦略なく選択するのではなく、チェーンがつながりそうな数字を選びだす必要がある
- 試した結果パズルが解けてしまったということは起こらない(解決する範囲は一部のみ)
- チェーンを探して、矛盾を見つけるのは以外と楽しい
パズルを解いていって左図の様になったとします。 ここでは8に注目してチェーンを考えてみます。
r2c1がもし8だとしたら、r1c3は8じゃない、するとr1c9は8になる、というように8が候補になっているマスはお互いに影響しあっていることがわかります。
ここで分かりやすい様にr2c1が8の場合、8がはいるマスを黄色、8以外の数字が入るマスをピンクに塗ってみます。塗るマスは上の例の様に二択でどちらかが8になるつながりを持つマスだけです。
そうすると左図の様な結果が得られます。 ここから何がわかるでしょうか? box6または列r6に注目すると黄色が2つ入っていることがわかります。
塗りわけは二択でどちらかに8が入るマスに色をつけていったはずなので、ピンクか黄色どちらかのマスに8は必ず入るはずです。黄色に8が入る場合は全ての黄色に8が、ピンクに8が入る場合は全てのピンクに8が入り、例外はありません。
このことと黄色のマスに8が入ると矛盾が生じることから、8が入るのはピンクのマスだということがわかります。
上の例の様に同じ色のマスが2つ以上ある列やボックスに存在した場合は一気に大量のマスが確定します。
しかし、矛盾がみちびけなかった場合でも、手が進めるケースがあります。例えば違うルートをたどって、黄色とピンクが同じボックスに現れた場合を考えてみます。
ピンクか黄色どちらかにかならず8がはいるはずなので、逆にいえばこのボックスの他のマスには8を入れることはできないとわかります。
実際は同じボックス内だけではなく、ピンクと黄色のマス両方をみることができるマスは全て8を入れることができません。
Simple Chainなど複雑なつながりを探す場合、紙と鉛筆でとくときはトレーシングペーパーを上にのせて、三角と丸で色分けしていくと便利です。ナンプレのサポートソフトの中にはマスを色分けできたり、上にフリーハンドで図がかけるものがあるのでそういった機能を利用すると便利です。
Simple Chainではある数字xがはいるマスのつながりを利用しました。これに対してRemote Pairs/浜田ロジックはxかyが入るという二択の連鎖を利用するテクニックです。
連鎖するマスが偶数個の時の性質を利用するのがRemote Pairsで奇数個の性質を利用したのが浜田ロジックです。(浜田ロジックについてはちゃんとした資料を見たことがないので、ミシチャンが誤解しているかもしれません)
4.1 Remote Pairs
左図の様にxyしかはいらないマスが4連鎖しているケースを考えます。この4連鎖の組み合わせはxyxyかyxyxのどちらかしかありません。注目していただきたいのは、どちらの組み合わせを取っても連鎖の両端はxyの両方の数字が現れることです。 Remote Pairsはこの性質を利用したテクニックです。左図の様に両端の共通のピアにあるマス、両端を見ることができるマスにはxもyもいれられません。
連鎖は偶数なら何個でも同じです。(2個の場合は通常は2国同盟とか、定員確定と表現されますが。)
4.2 浜田ロジック
浜田ロジックは二択の奇数個連鎖を利用しています。偶数個の連鎖とは逆に奇数個の二択連鎖の場合は両端に同じ数字が現れます。 この時あるユニット(列、ボックス)で xを入れることができるマスすべてが、両端のどちらかのピアに位置する場合、連鎖の両端はyしかいれることができず、連鎖全体の数字が確定します。
左図は3連鎖の場合です。列r5でxを入れることができるマスがピンクのマスしかない場合、連鎖の数字はyxyで確定します。
浜田ロジックで使った二択の奇数個連鎖とXY-wingを組み合わせる左図のようなテクニックもあります。
2006/8/30