中級テクニック

3. n国同盟、定員確定

3国同盟(2国も4国もある)とか、定員確定と呼ばれるテクニックです。特に2マスからなる同盟は中級以上の問題ではほとんど必須だと思います。n国同盟には同盟国からよそ者を追い出すタイプと、同盟国以外のマスから同盟国のメンバーを取り除くタイプの2種類があります。紙と鉛筆で解く場合には前者の同盟国が、パソコン等のサポートソフトを利用する場合は後者のタイプが発見しやすいです。


3.1 n国同盟 type 1(naked)

同盟国のマスに同盟国のメンバーしか現れないケースです。サポートソフトなどで各マスに入れられる数字をPencil Markとして表示させると同盟関係があらわになるので英語ではnaked pairとかnaked tripleと呼ばれています。

一般的に書くと"あるユニット(列またはボックス)でn個のマスに入れることができる数字の候補がn種類しかない時、それ以外のマスにはそれらの数字を入れることができない。" となりますが、ややこしいので具体例で説明します。

左はあるパズルを解いていった途中経過です。複数の数字が記載されているマスはまだ数字が確定していません。各マスのピアを調べた結果、重複せずにそのマスに入れる事ができる数字が記載されています。

ここで、色がついているマスが3種類あります。中に15と書かれたマスに注目してみます。二つのマスは同じユニット(R3列)に属していて、それぞれに入れる事ができる数字は2種類しかありません。

この時、二つのマスが属しているユニット内の他のマスには1も5も入れる事ができません。(入れてしまうと、この二つのマスのどちらかに入る数字が無くなる)したがって他のマスから1/5の数字を取り除くことができます。

同様にピンクのマスは全てが同じユニット(R4列)に属し、3種類の数字のみ入れることが可能です。従って同じ列にある他のマスから457の候補を削除できます。

同じことはオレンジの2つのマスにもいうことができます。

n国同盟のテクニックを利用して候補数字を見直したのが左図です。

実は左図からはもう一つ数字を削ることができます。前の図のピンクのマスの配置に注目すると、この3つのマスは全てbox4というユニットにも属していることがわかります。

したがって、box4の真ん中のマス
r5c2の候補は1/3のみになります。


3.2 n国同盟 type 2(hidden)

同盟国のメンバーが同盟国にしか現れないケースです。上の例のように、入る可能性がある数字を全部記載しても同盟関係が明らかにならないので英語ではhidden pair/hidden tripletと呼ばれています。

一般的に書くと"あるユニット(列またはボックス)でn種類の数字を入れられるマスがn個しかない時、それらのマスにはそれ以外の数字を入れることができない。" となりますが、ややこしいので具体例で説明します。

左の例でR3列に注目してください。

あまり見やすくはないですが、緑色の数字が書かれた紫のマスが3つあります。この3つのマスとその他のマスを注意深くチェックすると、3/7/9の3種類の数字はユニット(r3列)内にはこの3マスにしか現れていません.

つまりこの3マス以外に3/7/9が入るマスはユニット内にはないということです。この時、この3マスから3/7/9以外の候補数字を取り除くことができます。

理由は3/7/9以外の数字を入れた場合、3/7/9の行き場所が不足してしまうからです。3つのマスの定員が確定したという表現がぴったりくるかもしれません。

おなじことはオレンジのペアの6/9にも当てはまる事が見て取れると思います。

R5の列はちょっと特殊なケースですが、1/3の2マス定員確定と1/3/5/8の4マス定員確定が複合しています。

定員確定のテクニックで候補数字を調整したのが左図です。

ところで、注意深い方ならもう気がつかれているかもしれませんが、定員確定の説明に使用した2つの例は色の塗り方を除けば全く同じ盤面です。

Type 1(naked)とType2 (hidden)のn国確定は表裏一体で、Type 1の同盟の残りのマスでは必ずType 2の同盟が成立しています。


3.3 n国同盟おまけ

n国同盟は同盟が位置しているユニット(列、ボックス)から候補を絞り込むテクニックですが、場合によっては他の場所の数字候補を絞りこむことができる場合もあります。

左図のような2/3/4の3国同盟があったとします。3国同盟のテクニックから黄色のマスにある2/3/4の数字候補は削除することができます。さらにそれに加えてこの配列の場合、水色のマスから4の数字候補を削除することが可能です。

水色のマスに4が入ってしまうと同盟国に入れる数字が不足してしまうからです。

これは実際は基本テクニックで説明した数字候補の配列による絞り込みに過ぎないのですが、n国同盟が成立している場合はこちらでチェックする方がかなり見つけ安いと思います。

この様な同盟国から、メンバーを引き抜くことができないという考えを徹底的に発展させるとSubset Countingというテクニックにたどりつくのですが、実用的ではないため本HPでは説明は省略します。

3.app Pencil Mark

中級以上(初級も?)の問題を解く時にはPencil Markをふっていくのが便利です。Pencil Markをふるとはそのマスに入る可能性がある数字をマスに記載しておくことです。直接数字を書いてももちろん良いのですが、小さいマスに入る可能性がある数字を書き込んでいくのは大変なため、通常は数字に対応するドットをうっていくようです。

上図のようにそのマスに1がはいることがわかったら、1の位置に点をふっておきます。こうすると、一度調べておけばそのマスになにが入るか何度も考えなくてすみます。

ミシチャンの場合は、基本的にボックス単位で数字の位置を確認していくのですが、あるボックスを調べた結果、その数字の入る可能性がマスが2箇所のみの場合だけPencil Markをふっています。超上級クラスになると、全部ふらなければ解けないようなものもありますが、難易度で星4つくらいまでなら、2箇所で十分です。(5つでも大丈夫なケースがほとんど。ちなみにこの手法で見つけられるのはType2(hidden)のn国同盟だけです)

2箇所でやめる一番のメリットは(手間がかからないということもありますが、、、)一つ数字がきまると、ところてん式に次々と数字を確定できるケースがあることです。あるマスに入れる数字が確定した時、そのマスに他の数字のPencil Markが記載してあれば、その数字の場所はもう一つのPencil Markのマスに自動的に決定します。

ナンプレファンには問題ごとに目標タイムが設定してありますが、Pencil Markを利用すれば中級から上級クラスの問題なら、目標タイムは問題にならないくらいのスピードで解くことができると思います。

この手法でやって序盤ですぐ暗礁にのりあげるような超難問の場合、ミシチャンはすぐにナンプレのサポートソフトに切り替えて、ソフトにペンシルマークをふってもらい、それから解法をさぐることにしています。(手でうつことも何度かしましたが、全マスにPencil Markを打つような場合、必ず数ヶ所ミスをおこすのでやめましたorz)

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2006/8/23

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